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ミニカーBEVという新しいライフスタイル トヨタ車体「コムス」が提案する、次世代モビリティの未来

2023.8.22
コムス画像

ひとり乗りの超小型BEV(Battery Electric Vehicle)として、2000年に初代コムスが誕生してから今年で23年。まだ一般的には馴染みのないジャンルのクルマではありますが、2012年発売の現行コムスは発売から10周年を迎え、生産累計1万台(2023年3月末時点)を達成。街の近距離移動に適し、利便性・経済性を両立させたコムスは、今やデリバリーをはじめ、多くのビジネスの場で活用されています。今回はトヨタ車体 商用営業部の谷口さんに開発の背景や今後の展望、そしてさまざまな場所で行われている実証実験について話を聞きました。

抜群の小回り性能と経済性の高さが魅力のコムス

100%電気自動車であるコムスは、走行中のCO2や大気汚染物質排出「ゼロ」の環境にやさしい、エコでクリーンなクルマです。道路運送車両法では原付扱いですが、道路交通法ではミニカーにあたります。そのため、運転には普通自動車免許が必要です。
最小回転半径3.2mという抜群の小回り性能で、細い路地でも狭い駐車場でも楽に取り回しができます。また、家庭用100V(アース付)コンセントで充電できるため、大規模な電気工事の必要もありません。6時間の充電で約57km(カタログ値)の走行が可能で、満充電にかかる費用は約159円。原付扱いなので車検、重量税、取得税、車庫証明も不要です。乗用車と比べると維持費もリーズナブルなため、経済性の高さも大きな魅力と言えます。

鉛蓄電池を使用することで低価格と操縦安定性を実現

コムス正面画像
コムスハンドル画像

開発当時はCO2排出量削減や高齢化社会の到来、エネルギー需要の逼迫など、さまざまな課題に対応するため、全国各地で超小型モビリティを活用した実証実験が行われ、「環境対応車を活用した街づくり」が検討されていました。

弊社としてもクルマづくりの技術と経験を活かし、脱炭素社会の実現に向けて、カーボンニュートラルビークルの開発に着手。利便性・経済性を両立させた街の近距離移動に最適な乗りものとして、また、新しい街づくり、新しい生活スタイル、新しいビジネススタイルをつくり、超小型モビリティを活用した社会の実現を目指して生まれたのが、このコムスです。

開発する中で最も大きな課題はバッテリーでした。リチウムイオンバッテリーを使えば長距離走行や小型化が可能ですが、価格が高くなります。できるだけ低価格で提供しようと考え、鉛蓄電池を採用することにしました。コムスの重量は約420kgありますが、その内130kgがバッテリーで、床下に格納することで超低重心を実現しています。

コムスはモーターで動いているためエンジンオイルの交換も要りません。ガソリン車と比べるとメンテナンスが容易なところもメリットのひとつです。

観光シェアリングに貢献しながら、新たな可能性を開拓

コムスはこれまでさまざまな地域で実証実験を行ってきました。例えば鳥取県の山陰海岸ジオパークでの実証実験(ジオコムス)では、その起伏を利用してトルクの検証を行い、坂道発進最大角度を11度から13度(23%勾配)に改良。観光シェアリングに貢献しながら、性能向上にもつなげることができました。また、現在は信楽高原鐡道(信楽駅)や美祢市観光協会(秋吉台)をはじめ、各地でコムスを観光客にレンタルするサービスが行われています。観光地では、道幅が狭くバスやクルマではすれ違いが困難な場所が多く、駐車場の問題もありますが、コンパクトなコムスであれば気軽に訪れることができます。また、クルマでは通り過ぎてしまうようなところでもコムスであれば乗り降りしやすいため、小まめに立ち寄りやすいという声や、徒歩では観光しづらかった場所でも回遊されるようになり、観光地の新しい魅力の開拓につながったという声も聞いています。
実証実験には、このような新たな可能性の開拓はもちろん、コムスで自然や風を感じながら景勝地をめぐる楽しさを通じて、コムスの魅力をより多くの方々に知っていただけるというメリットがあります。

これから一般の方々へもさらに認知を広げていきたい

コムス正面画像
コムス背面画像

コムスにはB・COM(ビジネスユース:3タイプ)とP・COM(パーソナルユース)があります。B・COMはコンビニエンスストアや外食産業での配達の他、介護や医療、営業活動など、さまざまな場で新たな移動手段としてご活用いただいています。
特にコロナ禍になってからはデリバリー需要が増え、配達員の確保が難しい状況の中、コムスは女性にも運転しやすいことで人材確保にも一役買っているようです。
一方、P・COMはB・COMに比べトランクが小さめにつくられていますが、最大積載量45kgと通勤や買い物に使うには十分な大きさです。
これまでコムスはビジネスでの用途が7~8割を占めていましたが、弊社では以前より、もっとコムスを一般の方にも知っていただきたいと考えていました。今回、「E-Tokyoキックオフ」に参加したことで、実際にこのようなクルマがあるんだ、一般向けに販売されているんだと多くの方々に知っていただくよい機会になったと思っています。

コムスは国の「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金:20万円」に加え、東京都の「電動バイクの普及促進事業助成金:18万円」の対象車両に認定されています。
国も東京都も脱炭素社会の実現に向け、コムスの導入を後押ししています。

トヨタ車体は環境先進都市「ゼロエミッション東京」の実現に貢献できるよう、今後もコムスの認知度向上と活用促進に向け、取り組んでまいります。