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災害時も安心!未来の東京の姿~環境にやさしく災害にも強い先進都市へ~

2023.8.31
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東京都はゼロエミッションの実現に向けCO2を排出しないZEVの普及を推進していますが、ZEVには環境への貢献以外にも、災害時に活用できるという大きなメリットがあります。今回は「走る蓄電池」と呼ばれるZEVの活用事例やその方法、そして導入推進に向けた補助金制度などについてご紹介します。

災害時の不安を低減、ZEVを活用した災害対策

災害が発生するとインフラが寸断され、電気や水道、ガスなどのライフラインが止まってしまうことがあります。特に電気が使えなくなってしまった場合、照明や冷蔵庫、電子レンジなどはもちろん、インターネットや携帯電話も使えなくなり、その影響は広範囲に及びます。

2019年、台風15号が千葉県に上陸した際もインフラが寸断され、停電が長く続く事態になりました。その際、被災地に自動車メーカー各社がZEVを派遣し、携帯電話の充電をはじめ、エアコン、扇風機、冷蔵庫、洗濯機、夜間照明、地下汲み上げポンプなどへ電力供給を行い、被災生活の負担が軽減されたという事例があります。

車種にもよりますが、ZEVには大容量のバッテリーが搭載されており、一般的な家庭であれば4日前後の電力を賄うことが可能になっています。また、発電機に比べると非常に静かなため、夜間でも睡眠を妨げることなく安心して使えます。

このように「走る蓄電池」と呼ばれるZEVには、ただ環境にやさしいだけではなく、災害時の備えとしても活用できるというメリットがあるのです。

東京都では都内島しょ地域の防災力向上を支援するため、中古のZEVを購入する方にその費用の一部を助成する制度を設けており、災害時のエネルギーインフラとしてZEVの活用促進を後押ししています。

ZEV活用による島しょ地域防災力向上事業についてはこちら

ZEVから外部給電する方法は?

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外部給電の方法はとても簡単です。やり方は主に2つあります。まずひとつは、コンセントからの給電です。一部のZEVには、車内に「給電用コンセント」と呼ばれる100Vの電源コンセントが付いています。このコンセントに電化製品をつなぐことで、直接電気を供給することができます。

そしてもうひとつが、V2L(Vehicle to Load)と呼ばれる外部給電器を使う方法です。V2Lとは、ZEVのバッテリーに蓄えられている電力を外部に出力するシステムで、車内の100V給電用コンセントよりも大きな電力を供給することができます。台風15号の被災地でZEVから電力を供給する際も、このV2Lが使われました。ZEVの急速充電口に外部給電器を接続し、そこから電化製品などに電気を送ります。この方法は車種に関係なく広く利用することが可能です。なお、外部給電機は、現在さまざまなメーカーから持ち運び可能なものが販売されています。

太陽光発電と組み合わせて自宅を発電所に

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環境にやさしく、ランニングコストを抑えられる太陽光発電。実はこの太陽光発電とZEVを組み合わせることで、災害対策にもなることをご存じでしょうか。

V2H(Vehicle to Home)と呼ばれるシステムを導入すると、太陽光で発電した電力をZEVに蓄え、自宅に給電することができるようになります。突然の停電が起こっても慌てなくて済む上、日中に発電した電力をZEVに蓄え、夜間帯にその電力を使うことで電気料金の節約にもつながります。

東京都では、省エネ性に優れ、災害にも強い太陽光住宅の普及を促進するため、太陽光発電を設置する際の補助がありますが、それに伴い「戸建て住宅におけるV2H普及促進事業」として、V2Hを導入される方に対して費用の一部を助成しています。

【令和5年度】戸建住宅におけるV2H普及促進事業についてはこちら

災害時の備えを見直し、できることからひとつずつ

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地震や台風など日本はもともと災害が多い国ではありますが、最近ではそれらに加え、突然の大雨で停電することも増えてきています。東京都では環境保護の観点のみならず、このような災害対策の観点からもZEVやV2H、太陽光発電の普及を推進しています。

最後に、ZEVに関する補助金制度についてご紹介します。
例えば給電機能付きのEVやPHEV(プラグインハイブリッド車) を個人が購入する場合に45万円、FCV(燃料電池車)なら110万円の基本補助があります。
加えて自動車メーカーごとの上乗せ補助金や、購入者が再生可能エネルギーを導入していることによる上乗せ補助金なども別途用意されています。

【令和5年度】ZEVの車両購入補助金についてはこちら

環境にやさしく、災害にも強い都市。
それが、私たちが目指す未来の東京の姿です。誰もが安心して暮らせる都市の実現に向けて、できることからひとつずつ。この機会に、災害時の備えを見直してみませんか?