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自動車市場の常識を変えるゲームチェンジャーに 軽EV「サクラ」の投入で、ZEVの普及促進を図る日産自動車

2023.9.13
軽EVサクラ画像

2010年に「リーフ」を発売して以降、10年以上のグローバル販売実績を持つEVのパイオニア・日産自動車。その日産が満を持して2022年6月に発売した「サクラ」は、2022年に最も売れたEVです(日本自動車販売協会連合会、全国軽自動車協会連合会集計)。今回は日産の日本事業広報渉外部の鵜飼さんに、市場投入に至るまでの課題や日産が2018年から取り組む日本電動化アクション「ブルー・スイッチ」の活動、そして今後の展望などについて話を聞きました。

本の美を感じさせるデザインと高い利便性

サクラタイヤ画像
サクラ充電画像

「サクラ」は日産にとって「リーフ」、「アリア」に次ぐ3台目の量産EVです。軽自動車である「サクラ」は、まさしく日本の狭い道に適したサイズ。そして、そのかわいらしい見た目からは想像もつかないほど多くの先進技術を搭載しており、運転時や駐車時にさまざまな機能でドライバーをサポートしてくれます。
「サクラ」は日本で親しまれる存在になってほしいという願いを込め、名づけられました。タイヤのホイールには、水引(祝儀袋や不祝儀袋などの贈り物に用いられる飾り紐)からインスピレーションを受けたデザインを採用するなど、日本の美を感じさせる洗練されたデザインで、和の遊び心も散りばめています。
EVをガソリン車と比べた場合の利便性は、「自宅で充電」できる点です。買い物などの日常使いが主な用途と想定される「サクラ」は、特に自宅での普通充電をお勧めしています。地方を中心にガソリンスタンドが減少傾向にある中、スマートフォンと同様に自宅で充電することができ、給油のためにわざわざ出かける必要がありません。また、夜間など電気料金が安い時間帯に充電することで維持費を抑えることができます。さらに、可搬型給電器をつなぐことで、クルマのバッテリーに蓄えた電力を取り出し、災害時やイベントなどで電源として活用することも可能です。

EVの普及に弾みをつける存在を目指して

サクラハンドル画像

軽自動車は国内市場の約4割を占めています。「サクラ」はそんな自動車市場の常識を変えるゲームチェンジャーとして、EVの普及促進に弾みをつける存在を目指し開発されました。

開発にあたってポイントのひとつとなったのが、航続距離でした。バッテリーをむやみに大きくするとその分、車両も重くなってしまい、また価格も上がってしまいます。そこで、日本の軽自動車、コンパクトカーの使われ方を分析した結果、20kWhが最適だという結論に辿りつきました。1日30km程の利用であれば日曜日に充電し、週末まで充電しなくてもお使いいただけます。
従来の軽自動車ターボエンジンの2倍となる最大195Nmのトルクを発揮するモーターと、高度な制御技術により実現した素早く滑らかな加速で、高速道路での合流や急な上り坂でも、これまでの軽自動車では味わうことができなかった、余裕のある走りが可能となっています。また、駆動モーターからの上下振動を最小限に抑えた非常に効率的なモーター駆動マウント構造を採用したことにより、高い静粛性も実現。軽自動車ならではの小回り性能(最小回転半径4.8m)とあわせて、日常のあらゆるシーンで快適に運転していただけます。さらに、低重心化により車体の安定性を高め、段差通過時などにおいても高い乗り心地を提供しています。

2018年にスタートした日本電動化アクション「ブルー・スイッチ」

ブルースイッチカタログ画像

日産は2010年に世界で初めてグローバル市場に向けた量産EV「リーフ」を発売し、EVのパイオニアとしてその普及に取り組んできました。そして2018年、「リーフ」の国内販売累計10万台を記念してスタートしたのが、日本電動化アクション「ブルー・スイッチ」です。「ブルー・スイッチ」は、EVを活用して「脱炭素」「災害」「観光」「地方での交通問題」「エネルギーマネジメント」という5つの課題解決に取り組む活動で、2023年9月現在までに230を超える自治体や企業・団体と連携しています。2019年に発生した台風15号により千葉県では長期停電被害が発生しましたが、日産は53台の「リーフ」を自治体や福祉施設などに貸し出し、携帯電話の充電や扇風機の電力等に使っていただきました。東京都の事例として、練馬区では区民にEVを登録してもらい、災害時に協力を依頼するという取り組みもあります。

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また最近では、一般の方々にEVをより身近に感じていただけるEVカーシェアリングの実施や、観光やエネルギーマネジメントの領域におけるEVの活用も進めています。例えば、熊本県阿蘇市や長崎県佐世保市では、駐車場や宿泊・商業施設での割引など、観光客へのEV優遇策を展開し、サステナブルな観光実現に向けた取り組みが行われています。

「走る蓄電池」であるEVのさらなる活用を

多くの人が集まる首都・東京から意識を変えていく「TOKYO ZEV ACTION」は、日本をリードする取り組みにつながるものだと思っています。より多くの都民の方にこの取り組みを知っていただくこと、そしてEVをご体感いただくことで、未来に向けた一歩をともに踏み出せたらと思い、今回のイベントに参加しました。

カーボンニュートラルの実現だけではなく、それを中心とした観光やまちづくりなど、「走る蓄電池」の価値を持ちあわせたEVが役立つ場面はまだまだあります。

日産自動車は、「美しい日本を、さらに美しいブルーに」という想いのもと、今後も日本電動化アクション「ブルー・スイッチ」に積極的に取り組み、EVの特長を活用することで、地域のさまざまな課題解決につながるアクションをみなさんと一緒に起こしていきたいと考えています。